カウンセラーブログ

PCR検査体験記(前編)

2020.07.17

 

今回のブログの内容は、結婚相談所とはなんの関係もありません。

カウンセラー那須の個人的な体験記となります。ご興味のある方だけお読み頂けましたら幸いでございます。

 

ライブでその瞬間の心模様をそのまま綴っていますので思いがけず長文になっています。ご容赦くださいませ。

 

 

新型コロナウィルス感染予防対策が叫ばれる中、和歌山県田辺市から東京への出張が決まりました。

 

期間は7月9日~12日までの4日間で、銀座のGINZA SIXの向かいにあるカネマツホールで開催される、当社神戸店「きもの百科イトカワ」が毎年開催している「イトカワ東京展」の販売スタッフとしての出張です。

 

私は、当結婚相談所「マリッジサポート・イトカワ」の仲人カウンセラーとして、日々会員様のサポートをさせていただいている傍らで、丸三呉服店という創業74年の呉服店の店長も兼任させて頂いております。

 

現在、当社の所在地である和歌山県田辺市では感染者数は0人で、4月の初め頃に、感染された方が確認されてからそれ以後の発生はありません。地方で感染者の噂が広まる際の怖さは、都市部の方々には想像できないものがございます。

 

そこで、懸念されることが「もしも私が感染していたら・・」という心配です。

 

まさか自分は感染していないだろうと思いつつ、十分に気を付けて行動していたつもりでも、感染の可能性が0になることはありません。

全くの無症状でも感染している可能性があると言われたら、「絶対に感染していません」とは言いきれません。

 

学習塾を経営している妻からも「もしも、感染していたらどうするの?」という、禅問答のような難解な質問を毎日突きつけられるのです。

 

もうこうなったら、自費でPCR検査を受けて陰性であることを医学的に証明してもらう以外に方法はありません。

 

4日間の東京滞在の後、引き続き神戸店で3日間勤務し、その翌日に和歌山市の和歌山労災病院で自費でのPCR検査を受ける事になりました。

 

ところが、今度は別の不安が生まれます。そうです、「もしも本当に感染していたら・・・」という懸念です。

そう考えると自分はもうすでに感染しているのではないかと思えてくるのです。

 

そういえば東京に着いた翌日から喉に違和感がある・・・

 

もしかしたら羽田空港で蕎麦を食べた時に感染したのでは?

 

京急線で移動中にそういえば咳をしていた人がいたような気がする?

 

など、次々と疑念が湧いてくるのです。

 

「いやいや到着した翌日にすぐ症状が出るのはおかしい、確かテレビでは症状が出るまでの潜伏期間があるように言っていたような気がする・・・」

 

試しに「喉の違和感コロナ」で検索してみると「コロナの感染初期の症状に喉の痛みや違和感があることがある」と出てくるではないですか!

 

これはやばい!

 

出張初日から東京の感染者数がそれまで100人台だったのに200人超えになってしまった事も手伝って、「ああ、僕はやっぱり感染してしまっているのでは・・・」と、どんどん不安は募ります。

 

陽性反応が出た場合、

 

東京の後に滞在していた神戸店にも多大な迷惑がかかる・・・。

 

神戸店の社員はもちろん、その家族にも感染させてしまっているのではないか・・・。

 

滞在中泊めて貰った社長の家族にも多大な迷惑がかかる・・・。

 

社長の大学生になる長女はめちゃくちゃ優しくて愛想が良く、僕のような薄毛のおっさんにも笑顔で話しかけてくれたが、まさか彼女に感染させてしまっているのではないか・・・。

 

その後の仕事はどうなるのか?

 

いったいいつまで隔離生活が続くのか?

 

地方での感染者の噂は一気に広がるので、元の暮らしに戻ることはできるのか?

 

・・・などなど、恐ろしい現実が次々と想像されて、益々、不安は募ります。

 

検査前夜の妻からの電話では「知らないうちに他人に感染させるくらいだったら、ちゃんと隔離してもらった方がいいわよ」という慰めなのか何なのかよくわからない言葉をかけられても、憂鬱はどんどん増すばかりです。

 

このブログも実際に明日陽性反応が出たら「お蔵入りになるブログ」だということがわかっていながら、まさに不毛な男が不毛な事をしているのではないか!と自虐的に思いつつ、不安と孤独に押しつぶされそうになりながら、「いやいやお蔵入りになってもこの記録は後世に残すべきだ!」などと、訳の分からない事を考えながら、半泣き状態で制作しています。

 

「神様、仏様、どうか陰性であります様に・・・」

 

近年、神様仏様に心からお願いしたことはありませんので、滅多にお願いしないのですから、なんとか今回だけは聞いて欲しい・・・。

 

 

そして検査当日の朝、有罪か無罪かを宣告される被告人席に向かう気分とはこのようなものなのかと想像しながらタクシーで病院へと向かいます。

 

道中携帯でネットニュースを読んでも、何も頭に入ってきません。

 

なんだか喉の痛みが強くなってきている・・・。

 

ついに病院に到着しました。

 

病院の裏口から一旦外へ出て、別棟にある「健康診断センター」へ行くようにとの指示を受けます。

 

そこの受付で検温と症状の確認、感染拡大地域への渡航歴などを記入します。

 

症状の確認には、強い倦怠感、発熱、長期間の下痢症状の有無が確認されますが、喉の違和感についての質問がありません。「喉に違和感があるんですが」と告げようと思ったが「いやいや聞かれてもいない事をわざわざ言って先入観を与えてはいけない・・・」などと自問自答していたら、「すいませんがもう少しお待ちくださいねー」と透明のビニールで全身を包んだ看護師さんに笑顔で声をかけられて、こちらも「大丈夫ですよ~」と引きつった笑顔で受け答えします。

 

いよいよ検査の開始です。

 

改めて看護師さんから状況の確認質問があり、喉の違和感について正直にお伝えしたところ、深刻な顔で、「ちょっとお待ちくださいね」と部屋をでて行ってしまうではないですか!

 

そして戻ってきた看護師さんから、「こちらでは症状の無い方しか検査できない事になっているんです、上の者と相談してきます」と言ってまたも部屋を出て行ってしまいました。

 

「ああいらん事言ってしまったんかなぁ」

 

このまま検査もできず野放しにされたら、その後どうやって生きていけばいいのか

いっその事ブラジルに移住するべきか?でもポルトガル語どころか英語も全く喋れない!

 

さっきまでの「陽性反応だったらどうしよう」という不安から、「検査もしてもらえないのでは⁉︎」という不安に変わり、またも半泣き状態で一人部屋で待たされ

 

なんとなく妻には喉の違和感について話せていなかったので、「あなた無症状って言ってたわよね~」という厳しい詰問に怯えつつ「なんとか検査だけはしてください」と祈りながら待っていると、今度はお医者さんと別の看護師さんが現れて、「喉に違和感があるのでしたら別に診療を受けてから医師の判断でPCR検査が必要とされた場合に検査へと移行します」と言われるではないですか!

 

「あぁーえらいこっちゃー」

 

その後看護師さんが血圧を測ってくれましたが、過去最高の値が出て動揺が隠せません。

 

「いつもこんなに高いんですか?」と聞かれて、「いいえ見たことない数字です・・・動揺してるんですかね~、」「ハハハ」という引きつった笑い声が自分でも涙声になっているのが分かります。

 

「検査はしてもらえるんですか?もしも陽性反応が出たらどうなるんですか?」と震える声で尋ねると、「そんなに怯えなくて大丈夫ですよ、ちゃんと喉の事を正直に言ってくれてよかったんです、専門の医師が診療してそれからPCR検査になると思います。自費の検査から保険診療に切り替わるんです。」「でも結果は明日にしか伝えられないので、それまでは自宅待機になるかと思います」

 

自宅待機!感染の可能性のある私が待機できる場所が自宅にあるのか⁉︎

 

ちゃんと意識できていませんでしたが、現在私は感染の可能性のある患者です。ですから、結果が出るまでの間は、誰とも接触せずに、公共交通機関も使え無いということになります。

 

幸い妻が車で迎えにきてくれるので、僕が車に乗って帰って、妻には電車で帰ってもらうとして、その後、自宅に帰って良いものかどうか?

 

結果が出るまでは車の中で過ごすべきか?

 

新たな不安が募り、髪の毛が抜け落ちそうです。(もうほとんどありませんが・・・涙)

 

その後、入口には「通行止」、館内には「発熱外来」という恐ろしくでかい赤文字でプリントされた張り紙が、いくつも貼ってある病棟に移動し、(その病棟が冷房が効きすぎていて震え上がっていると、看護師さんが温度を上げてくれました。こんな時に人の優しさに触れると本当に涙が出ます)待っていると、妻から「病院の駐車場でお腹空いたからランチ食べてます」とLINEで連絡が入ります。夫婦でこんなに温度差を感じる瞬間があるでしょうか?

 

その後、誰とも接触はご遠慮くださいと知らされましたので、妻から看護師さんを介して車の鍵を受け取り、扉の向こうで妻が看護師さんに「PCR検査、簡単に受けれるように聞いてたんですが、なんでこんな大事になってるんですか?」と詰め寄っている様子が聞こえます。「いやいや、それは僕のせいなんやで・・・、僕の喉に違和感があったせいで、こんな大事になってしまったんやー」と言いたいけども言えなくて看護師さんも困った様子です。

 

優しい看護師さんはその後、「耳鼻咽喉科の先生に診察してもらうことになりますが、何時になるかわかりません。その際、防護服を着て物々しい状態で診察に来ると思いますが、怯えないでくださいね」と言われて、「そうですよね、分かりました、大丈夫ですよ」と紳士的に振る舞いましたが、本当はもうこれ以上ビビらせないでくださいと願っていました。

 

余談ですが、待機している部屋の時計が壊れていて、止まっている秒針が突然音を出して動き出すので、その音でもいちいちビビっていたのです。

 

9時過ぎに病院に入って、現在1時になりました…。

 

そういえば昨日の夜から何も食べていないが全く食欲が無い。

 

「いったいいつまで待つのだろうか…。もしかして、忘れてないですよね…」

 

そう思っていた矢先に、耳鼻科の先生が診察にやって来てくれました!

 

先生は物腰の柔らかい女性の先生でした。勝手にインテリ風の圧のある先生をイメージしていましたので、意外に思っていると、あっという間に喉の状態を確認して、長い綿棒のような物を喉に擦り付けて検体の採取を完了し、颯爽と部屋を後にしました。その間は多分3分程度です!

 

呆気にとられるほどあっさりと診察は終了しました。

 

「PCR検査の結果は明日電話で連絡します、それまでは誰にも接触せずに自宅で待機してお待ちください…、支払いは駐車場の車で行います。」(文面では内容をはしょっていますので、厳しい物言いのように伝わるかもわかりませんが、実際はめちゃくちゃ優しく、丁寧に対応してくれています。誤解の無いようにお伝えしますが、対応してくれた看護師さんや事務の方々は本当に天使のような皆さんでした)そう看護師さんに告げられて、病院の外へ出ました。

 

病院の外の景色は、何故か自分とは乖離された平和な世の中のように感じられて、早くこの平和な普通の世界に戻りたいと思いつつ病院を後にしました。

 

後編に続く